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図案帖
京都: 明治後期から大正初期頃(1900-10年代)?写本
カードリーフに手描きの図案97点を挟み込んだコンチェルティーナ折りのアルバム。外紙には「第九集」とあり、図案制作会社が同様の図録を複数制作していたことがわかる。明治37年(1904年)に設立されたMisona社は、京都図案会の登録会員であり、木綿織物、サテン、羽二重絹、錦紗の生産に力を入れ、中国、イギリス領インド、アメリカに輸出した。また、国内では女物の帯などを販売していた。デザインにサインはないが、『京都図案』第2号でMisonaに勤務していたデザイナーとして確認されている高田賢三郎(高田覚秀とも)が、一部またはすべてを手がけた可能性がある。高田は画家・河野梅嶺 (1844-1895)の弟子で、雑誌に多くの挿絵を寄稿し、その一部は雲窓堂から出版された。古谷光琳(1875-1910)、下村玉廣(1878-1926)、上野清江(1871-1943)ら当時の重要な図案家たちと肩を並べたことでも知られる。図案のほとんどはカラーで、中にはメタリック顔料を使ったものもあり、鳥、蝶、昆虫や民間の織物を模した模様が描かれている。図版のいくつかは、高田とほぼ間違いなく面識のあった神坂雪佳(1866-1942)のような画家が制作した大判の木版画に匹敵すると言っても過言ではない。発掘された巒デザインの傑作。
コンチェルティーナ折りの折帖1冊、オリジナル函入り、両面図版入り。函に汚れと僅かな擦れ。台紙に欠損。内部に擦り傷、汚れ、ヤケ、波打ち、変色。ところどころ雨どいが弱い。絵柄と余白に作家のメモと印。ページなし。26.5 x 38 x 7.5 cm。