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[無題の摺物](明治2年)
挿絵:歌川芳盛(こうさい)
本作は、歌川国芳の門人・歌川芳盛(1830–1885)による摺物で、獅子舞を踊る人物と、その周囲で音を奏でる三人の音楽家たちが主題となっています。江戸から明治にかけての過渡期にあたる時代背景のなかで、伝統的な題材と洗練された技術が融合した一作です。 芳盛による原画の筆致の繊細な表現は、彫師による高度な木版彫刻(おそらく「サビ彫り」技法)と、摺師の精緻な仕事によって忠実に再現されており、摺物として非常に完成度の高い一枚です。
単葉(1枚もの)で、片面木版印刷による完品です。経年にともなう折り目やしわ、若干の変色、摩耗が見られ、数か所に小さな虫食い穴があります。また、中央の折り目の一部にごく小さな破れがありますが、画面全体の鑑賞を損なうような欠損はなく、当時の風合いをよく保っています。サイズは約39 × 52.2cm。